ツーリングライダーとしてバイクを楽しみ、バイク屋として蓄積した独自のノウハウを活かして、工業製品もしくは物流商品として扱われているバイクを、価値ある「趣味の道具」として楽しむために、ノースウイングJCというバイク屋の拘りと独りのツーリングライダーの目線から感じたことや思うことを綴ります。

スーパーカブC125を楽しむために

9月に入っても暑い日が続き、バイクを心地よく楽しめる季節が待ち遠しいかぎりである。暑さが和らいだある日、カブシリーズでは最強のスーパーカブC125をカブ125NWJCパッケージ仕様として、山梨県笛吹市までの往復660Kmで各部のチェックも兼ねて楽しんできた。

出発

カブ110NWJCコンプリートは、おっさんライダーが自由気ままにバイク旅を楽しむ為に企画したのが始まりだが、トラクターまで揃えて野菜作りを趣味としているバイク仲間のモッチより、1100GSやパンペーラも楽しいが、マフラーはAllステンレス製で全体の質感が高そうなスーパーカブC125を普段使いとツーリングで楽しみたいと連絡があった。

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バイク屋のおっさんライダーならどんなスタイルでカブ125を楽しむのか、総てお任せで実走してある程度形にしてほしいとのこと。旧くからのバイク仲間だから、どんなスタイルを要望しているのか何となく見えて準備に取り掛かったのは数か月前の事。

実体験が伴わないと何も判らないのは当然だが、思いもよらぬ依頼には準備に少し手間取ったが、バイク屋のバイク乗りとしての実体験に基づいたNWJC独自の提案が出来ればと思う次第である。

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カブ110NWJCコンプリートは速さより心地よさがテーマ

カブに関しては旧くはCT110からC125と同じエンジンのドリーム125やウェーブ125i等を経て、7年前から始まったNWJC定番の110NWJCコンプリートは、JA07型プロトタイプのType1から始まり、現行のJA42型ではType3となり、速さより心地よさで走り続ける楽しさをテーマとして今日に至る。

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日本各地を訪ね歩くバイク旅では積載力が必須であり、カブ110NWJCコンプリートは、キャンプ道具などバイク旅に必要な荷物を満載した状態での安定性と操縦性などトータルバランスの高さはカブシリーズの中では最強である。

カテゴリーに囚われる事の無いカブ110NWJCコンプリートは、可も無く不可も無い曖昧さで脇道へそれることも立ち止まることも厭わず、和洋折衷のようなおおらかさは自由気ままにフィールドを拡げて楽しめるから、初心者からベテランまで誰でもが納得できる一台である。

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普段使いのチョイ乗りから日本各地を訪ね歩く旅まで、速さより心地よさで悠々と走り続けて多用途に楽しめるバイクとして、九州から東北の青森まで日本各地で多くのバイク乗りに、カブ110NWJCコンプリートが支持されているのは嬉しい限りである。

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スーパーカブC125の良さを引き出して楽しむ

カブ125を走らせて、どのように楽しむのが最適かと思いを巡らせて、それに見合った装備や仕様を考えて出来上がったオリジナルパーツをチェックするのも楽しいひと時であり、その後トータルバランスを高めることもまた楽しみである。

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バイク屋がカブ125を楽しむならどんなスタイルで楽しむのか・・・。モッチからの思わぬ依頼には躊躇したが、カブ125の強みは何と言っても動力性能でカブシリーズでは最強である。

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旅バイクとして積載力は必須となるが、17インチホイールのクロスカブと14インチホイールのカブNWJCコンプリートでは、ワインディングや九十九折れの峠道などで、ホイール径の違いによる剛性や重心の違いに耐荷重性なども影響して、積載状態での安定性や操縦性では大きな違いがあり、カブNWJCコンプリートがカブシリーズではもっとも扱いやすく最強であると、いつものメンバーによる比較試乗で実証済である。

→NWJCウェブサイト『クロスカブとカブ・コンプリートを乗り比べる』

カブ125は17インチのキャストホイールが標準装備されているから、17インチのスポークホイールが装備されているクロスカブよりも剛性は高いが、クロスカブと同様で重心が高く、荷台を大きくしてサイドスタンドを強化して取り付け位置を変更しても、耐加重性が低いことも影響してカブNWJCコンプリートと同等の積載状態では使い勝手の悪いところが顔を覗かせてくる。

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カブ125の動力性能はカブシリーズでは最強だから、その良さを活かして普段使いのチョイ乗りから、速さより心地よさで軽快に走り続けるスポーツツアラー的な楽しみ方が最適であるから、旅バイクとして重装備が可能な積載力を高める事だけに特化すれば、シャープなカブ125の良さが失せて無意味なことに思う。

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スーパーカブ125改めカブ125NWJCパッケージを走らせる

ナラシ運転を終えてエンジンコンディションのチェックで、バルブクリアランスは例のごとく最大値となっていた。新しいから良いとした傾向にある一般的な捉え方では、本来の良さを発揮させることは出来ないから、このメンテナンスはメーカーや車格・排気量に関わらず重要な作業である。

しかし、メーカーや○○JPでは、バイクを心地よく楽しむ為の基本中の基本に関して声を大にして情報発信しないのは何故だろう。販売最優先の成果主義で台数至上主義だけであれば残念な限りである。

エンジン調整

エンジンコンディションを整えて基本性能を引き出すことで、バイク屋としての経験とバイク乗りとしての感覚的なことを融合してイメージが出来るから、トータルバランスを高める事も含めて具体的な作業が始まる。

それは、実体験に基づいておっさんライダーが楽しむならば、とイメージを具体化するいつもの手法である。

エンジンはカブシリーズ最強

カブ125はカブシリーズでは最強の動力性能であることを実感しながら、少しハイペースの流れに乗っても悠々と走り続けて余裕をもって楽しむことが出来た。

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シートはGoodである!

カブNWJCコンプリートを駆っての列島縦断では、腰の据わりの悪さを実感して、その対策としてNWJCオリジナルのシートスタビライザーを実用化したが、カブ125のシートは後方にロック機構があるため、従来のカブシリーズよりも安定感が増して、シート後方の剛性感がある形状もGoodである。

シート

しかし、シート高はカブNWJCコンプリートに比べると若干高いから躊躇される方もあるが、軽量な車体だから乗り慣れることで対応できるのでは・・。

トップケース装着に関して

カブ125の小さなリアキャリアでは使い勝手が悪いため、トップケースを装着することを前提とした強度があるリアキャリアを企画して、GIVIのトップケースならどのタイプでもボルトオンで固定できる仕様とした。

今回は、GIVIのTRK52Nを装着してツーリング必須の荷物積め込んで、OPのキャリアにはレインウエアーやウインドストッパーなどをパッキングして走らせたが、52Lの容量でもバランスも良く軽快に楽しむことが出来た。

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しかし、更に大型のケースを装着して重量や全高が上がると、サイドスタンドの取り付け位置なども影響して、クロスカブと同様にフロントが浮き上がって駐車時に転倒する場合もあるから取回しは要注意となる。

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スクリーンの装備は必須

スクリーンは好みもあると思うが、心地よく走り続けるアイテムとしてカブ125専用を新たに準備した。スカート部の形状などは検討中だが、フェアリング効果の高さは爽快な走りの基としてバイク旅には必須であると、齢を重ねるごとに実感する今日この頃である。

ハンドルポジションについて

ハンドルポジションはカブ110NWJCコンプリートにも似て、おっさんライダーの好みである。カブ110NWJCコンプリートで圧雪路面を延々と走り続けても、立ち上がることも無く座ったポジションで何ら問題なく走れるから、未舗装のダートでもカブ110NWJCコンプリートと同じポジションで何ら問題なく通過できる。決してライテク云々ではない事を伝えておく。

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クロスカブの少し高めのハンドルポジションは違和感があるのだが、スタンディングを想定してのことかプチアドベンチャーとして存在感を誇示するためのデザイン優先のためだろうか。

木曽路から甲州街道へ

AM4:00に岐阜を出発して国道を走りつないで、R248→R21→R19→R20→県道12→R140→県道36→新鳥坂トンネル→上芦川→R358→県道36で折り返し帰路に着いた。

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帰路は県道と国道を走りつなぎ、県道36→県道12→R20→R152で高遠経由して伊那では市街地を抜けて脇道に逸れて、南アルプスを眺めながらカブ125NWJCパッケージの軽快な走りを楽しみ、岐阜へはPM9:00頃到着してNWJCパッケージのチェックは無事終了した。

花期が長い百日紅の花は、暑い夏を象徴する花でツーリングではどこでも見かけるが、これからの季節は外来種のセイタカアワダチソウが黄色に色づいて、延び放題の地域も在り見たくない嫌な風景である。
しかし、木曽路から甲州街道ではセイタカアワダチソウが目立つことも無く、至る所でススキとそばの花が目に入り、何となく懐かしい初秋の風景を見た思いである。

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カブ125を駆って日本らしい風景の中を流れに乗って悠々と走ることで、カブ125NWJCパッケージを多用途に使いこなす楽しみ方と、今後の課題が何となく見えてきた。

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軽装備でスマートに楽しむカブ125NWJCパッケージか、旅に必須の荷物を総て積み込んで重装備でも楽しめる旅バイクとしての使い勝手と普段使いの良さにも定評があるカブNWJCコンプリートか、楽しみ方は十人十色だがどちらも魅力的である。

バイク屋のバイク乗りとしての実体験は、何にも変えがたい価値があるといつも実感するが、今回も価値ある良き時間を過ごすことができたと思う次第である。



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