ツーリングライダーとしてバイクを楽しみ、バイク屋として蓄積した独自のノウハウを活かして、工業製品もしくは物流商品として扱われているバイクを、価値ある「趣味の道具」として楽しむために、ノースウイングJCというバイク屋の拘りと独りのツーリングライダーの目線から感じたことや思うことを綴ります。

SR500をNWJCツーリングマスターへ

日に日に暖かくなり春めいてきたが、コロナウイルスの猛威が一日も早く終息することを切に願う。

また、今年は暖冬で飛騨流葉にも雪が無く、バイクに乗れるから嬉しいと飛騨のアツシから連絡があったが、東北の震災があった年も暖冬で流葉には雪が無く、富山湾では今年と同じように「竜宮の使い」が上がっていたと聞いている。何はともあれ今年も無事に過ごせるよう願う次第である。

流葉

エンジン不調のYamaha SR500が、トライアンフ空冷スクランブラーNWJC2014への乗り換えで入庫した。40年近く前のことだが、僅かな期間SR500と400にも乗っていたから、旧い知人に出会ったようで懐かしく思う。

最近では飲むことも無くなったが、飲み友達の文人が旧いCB400Fのリビルトを依頼しているからその進捗状況を見に来て、入庫したばかりのSRを眺めながら一緒にツーリングに出かけて九十九折れの峠でみっともない転倒した事を語り始めて、すっかり忘れていた昔話に花が咲いた。

SR500

SRは40数年来、振れる事も変わる事も無く作り続けられたYamahaのコダワリを垣間見る想いだが、SRの対抗馬としてGB400・GB500にCB400SS・CL400など次々と現れたが尽く退けて、売れなければ已めてしまうHondaらしさも手伝って、SRが名車となっていった過程があるようにも思う。

Honda GB500にも乗っていたので当時を振り返ると、同じ空冷シングルでもSRは感性で楽しみ、RFVC4バルブのGBはスペックで楽しむことであったようにも思えるし、何故CBではなくGBとなったのかネーミングにもその違いが顕れているようである。

YamahaセローとHonda SL230の比較も同様に思えるのは、おっさんライダーだけではないようだ。

峠1

40数年前から何も変わっていないSRは、おっさんライダーとっておきのCB450と同じでタイムマシーンのようでもあり、NWJCツーリングマスターとして蘇らせて、スペックよりも感性でアナログ回帰による素敵なバイクライフへの提案はどうだろうか・・・。

昨今は電子制御が満載でスペック云々の車両が大半だが、SRは人の関わる領域が広く、昔ながらの素朴な乗り味はおっさんライダーの好みであり、そのアナログ感は空冷ボンネビルT100やスクランブラー、R100RSにも通ずるものがある。

山陰

エンジン不調のSR500をGoodコンディションに整えて、速さより心地よさと多用性でバイクライフを楽しむNWJCツーリングマスター(TM)へと深化させて蘇らせることを具体的に考えることにした。

若かりし頃にはSR400をカフェスタイルにカスタムして楽しんでいた里見君は、SRが懐かしくもあり気になるようで、チョクチョク顔をだしてエンジンを掛けては早く乗ってみたいなと、つぶやいていた。

NWJCツーリングマスター

NWJCツーリングマスター(TM)は、生産が終了した旧型の中からピックアップした機種をベース車として、「旧いから」とか「こんなものです」と代替を促して如何に販売するかよりも、Goodコンディションに整えて蘇らせて如何にバイクライフを満喫できるか。

防風効果を高める専用スクリーンや機能パーツとしてのコンフォートシートなど、ライダーが心地よく走り続けられる環境を整え、バイク旅には必須の積載力を高めるリアキャリアとサイドラックなどの専用パーツは、バイク屋のバイク乗りとしての実体験に基づいてNWJCオリジナルパーツを企画している。

戸倉

フル積載状態でも操縦性と安定性の両立を目指して、エンジンや足回りなどに違和感や問題点があれば対策を施してトータルバランスを高めて蘇らせ、速さより心地よさと多用性で自由気ままにバイク旅も楽しめるNWJC独自の仕様がNWJCツーリングマスターである。
現行モデルをベースとしたNWJCコンプリートも同じコンセプトである。

SR500をNWJCツーリングマスター(TM)仕様へと

元SR屋で、長年SRのカスタムに携わってきたバイク屋RBRのオヤジに、SRをNWJCツーリングマスターとして蘇らせる事について意見を聞いてみた。

峠2

SRのカスタムが全盛だったころのカスタムはカフェスタイルが王道で、セパハンにバックステップ等は定番でアルミフェンダーやアルミタンクにシート・カウルなど、ウエリントンを筆頭に様々なカスタムに関わったことを懐かしそうに語ってくれた。

SRでのバイク旅など当時であれば論外だが、あれから数十年を経てトライアンフ空冷スクランブラーNWJC2014やカブ110NWJCコンプリートを楽しむライダーとしての経験から「SR本来の良さを楽しめる唯一の方法かもしれへんなぁ〜」RBRのオヤジの緩やかな放物線を描くバイクライフを垣間見た思いである。

SR専用NWJCオリジナルパーツ

カブ110NWJCコンプリートを始めSL230やT100NWJC2014仕様では、防風効果を高めるために専用スクリーンと積載力を高める専用リアキャリアとサイドラック等のNWJCオリジナルパーツを装備することがバイク旅には必須であるとバイク屋のバイク乗りとして実感しているから、SR専用のNWJCオリジナルパーツを企画することにした。

SR500キャリア

SRのシートは経年劣化もあるが、柔らかくクタクタでバイク旅を楽しむには無理があるから、SL230TMやカブ110NWJC Compでも実証済で、シートは心地よく走り続けるための重要な機能パーツだから、おっさんライダーご用達である浜松のプロショップへ依頼してコンフォート仕様に変更することにした。

SRシート

NWJC独自のメンテナンス

Goodコンディションに整えるメンテナンスは、云わずと知れたエンジンコンディションを整える事から始まるがそれらが整うことも無く、足回りのサスペンションやマフラー等のボルトオンパーツの交換だけでは本来の良さは発揮しないが、違和感や問題を分りやすくすり替えることが現実的に多いのではないか。

旧くなったキャブ車は要チェックで、ジェットの穴が通っているだけではコンディションが整わず不調の場合があるから要注意である。

SRフロントサス

フロントタイヤの接地感を高めるNWJC独自のメンテナンスも含み、実走行を繰り返してトータルバランスを高めて、速さより心地よさと多用性で楽しめるSR500NWJCツーリングマスターへと作業を進めている。

SRエンジン

SR500NWJCツーリングマスター(TM)へのモディファイは、おっさんライダーは作業を口うるさく指示するだけで、今回は細川店長が担当してマニュアル通りのメンテナンスは総てにGoodである。

しかし、NWJC独自のツーリングマスターはバイク乗りとしての経験や感覚的なコトが必須で基礎にあることを伝えると、チェックと称して頻繁にSRの試乗に出かけるから、おっさんライダーの雑用が増えている。
実は、細川店長もしばらくSR400に乗っていた事がつい最近発覚した次第である。

SR500NWJCツーリングマスターで西の定番ルートを走る

SR500NWJCツーリングマスター(TM)は、エンジンや足回りなどトータルバランスが徐々に整い始めたから、CRF250NWJCコンプリートをSL230TMでリードした翌週には西への定番ルートでエンジンや足回りを含め積載状態でのトータルバランスをチェックすることにした。

白兎

SL230TMやボンネビルT100NWJC2014と同様にキャンプ道具などをフル積載して走らせてみると、SR専用のリアキャリアとサイドラックにより積載は簡単で安定感があり、足回りの見直しなどによりエンジンの反応と車体が巧く同調して、積載状態でも走りの質が向上しているから面白くなってきた。

コンディションが整ったSR500NWJCツーリングマスター(TM)は、タッタッタッタ・・・タッタッタッタ・・・と蹴りだすような単気筒らしい鼓動感とアクセルオフでの空走の繰り返しは飽きることなく、人の関わる領域が広いアナログ感は数十年の時を経ても色あせる事なく、懐かしさのある心地よい走りを満喫できた。

らっきょ畑

ヘッドライトの明るさと見やすさは別の事だから、ボンネビルT100やVTRなど丸目のライトで装着可能であれば愛用しているCIBIEに変更することにしている。

SRにはLucasという声もあるようだが、CIBIEに変更すると夜間走行では見慣れた配光パターンに安心感を覚える次第である。

SR500NWJCツーリングマスターは、SL230NWJCツーリングマスターやボンネビルT100NWJC2014仕様と同様に積載状態での操縦性と安定性のバランスも良く、和洋折衷のような大らかさと曖昧さは、四季の移ろいの中を悠々と走るバイク旅の良き相棒としてバイクライフを満喫できることを実感した次第である。

バイク屋のバイク乗りとしての独自の観点から、カフェスタイルへのカスタムベースからSRを解放して、速さより心地よさと多用性で楽しめるNWJCツーリングマスターへと深化させて蘇らせることが出来たことは大いに満足である。

熊川

SR500NWJCツーリングマスターによる、スペックよりも感性で愉しむ素敵なバイクライフとアナログ回帰への提案は、バイク屋のバイク乗りとしても納得できると自負している。

SRを駆った40年前は18歳だった少年、30年前に18歳だった少年、今やお祖父ちゃんやお父さんとなっても何ら変わることなくバイクライフを楽しんでいるOld Boyたち、Myバイクライフを振り返ってみるのはどうだろう。

また、SRのカスタムが全盛のころSR屋だったRBRのオヤジも、SR500NWJCツーリングマスターを走らせて、齢を重ねたOld BoyはSRに何を想い 何を感じるか訊ねてみたいものだ。

(2020.03.13 追記)R.B.R Motorcycle社長の試乗記もご覧ください



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