ツーリングライダーとしてバイクを楽しみ、バイク屋として蓄積した独自のノウハウを活かして、工業製品もしくは物流商品として扱われているバイクを、価値ある「趣味の道具」として楽しむために、ノースウイングJCというバイク屋の拘りと独りのツーリングライダーの目線から感じたことや思うことを綴ります。

カブ110NWJCコンプリートをロングツーリングで楽しむ

心地好い走りを楽しめる中国地方山間部の一般道をメインに、国道と県道を走り繋ぎ、NWJCで取り扱っているバイクを心地よく楽しめるコンディションに整える為に、メンテナンスポイントをチェックする目的で長年ツーリングを楽しんでいるお気に入りのルートの一つを、原付のカブ110NWJCコンプリートに乗って出掛けた。

 

スタート⇒ゴール.jpg
(走行距離およそ1,500キロ)

 

帰路のルートでは、昨年の秋にスクランブラーを走らせたルートを少したどって、いつものメンバーと鳥取の若桜で合流してキャンプも楽しみ、相変わらずバイク三昧の日々を楽しんでいる。

 

キャンプ.jpg NWJCコンプリート.jpg

随分と前の事だが、ほぼ同じルートで、中々思うようにならないBMW K1200LTを走らせた時、低速域でのトルクが薄くバランスが悪くて、峠道では半クラッチを使わないと上手く走らせられない原因がどこにあるか気づいたことや、標準装着のタイヤが単調な高速を走るには良いが、日本的な道には全く不向きで使い難さが顕著にでて、色々な面が明るみに出てくることも数多く、単調な高速道を移動する事より、面白いところがある。

 

帰路ルートmap.jpg

 

K1200LTに限らず、HONDAをはじめトライアンフ・BMWなど数多くのバイクを走らせて、心地よい仕様に仕上げるヒントを沢山得てきたルートの一つである。勿論、このルートもスクランブラーなどモダンクラシック系の深化には大きく影響している。

 

帝釈.jpg 帝釈スクランブラー.jpg

 

Bigバイクの場合、心地よい走りを求めてトータルバランスを高めるには、県道や峠道などを繋いで走らせてみると、色々な問題点が浮かび上がって来るから面白い。乗り難さ使い難さをそのままにライテクでカバーすることよりも、其々の車両が持つポテンシャルを充分に発揮させて、ライダーとして楽しむために、それらの問題を対策することもバイク屋としての醍醐味である。

 

庄原附近.jpg

 

今回の目的は、勿論ツーリングを楽しむ事だが、カブ110NWJCコンプリートに76?の容量を持つアルミ製大型トップケースに、キャンプ道具等を満載して、心地良く走り続けることを楽しみ、カブ110NWJCコンプリートによる新たな発見を求めて、1,500Kmほどのツーリングを楽しんで来た。

 

県境.jpg

 

アルミ製76リッタートップケースを装着して

 

カブ110をツアラーとして楽しむ必須要件となる積載力を高める為には、大きな荷台を活かしてトップケースを装着するのがベストだと思う。トップケースとしては、色々なものが使われていて、HONDAからもプラスチック製のケースが数種類発売されているし、ホームセンター等で販売されているプラスチックケースが使われているのもよく目にする。

 

名水.jpg

 

ノースウイングJCから提案するトップケースは、アルミ製で76?の容量があり、しっかりとした固定が出来るようNWJCオリジナルのアタッチメントをセットで用意しているから、着脱は工具なしでもできるし、工具を使ってボルトによる固定も可能な仕様としている。勿論ケースはキー付でロックもできる。

 

アタッチメント.jpg

 

アルミ製のため予備のガソリンタンクや、行く先々の名水やキャンプで使う水タンクを装着することも可能な仕様として、上蓋にフックを取り付けて荷物を更に積み込む事も可能で、乗り手のアイデア次第で更に使勝手の良いモノになるだろう。

 

農協印.jpg

 

17インチのカブは荷物を積載した場合、車体がフラついて心地よい走りを楽しむ事が出来ないが、積載を重視した14インチのProだからこそ、キャンプ道具等をタップリと積み込んで、心地良い走りを楽しめる仕様に仕上がっている。それらを再確認する実力テストを兼ねてカブ110NWJCコンプリートを走らせてきた。

 

岡山県道58.jpg

 

旧型110プロの仕様変更

 

今回使った車両は旧型のカブ110プロNWJCコンプリートだが、旧型のプロトタイプは3台のみで他に1台コンプリート風のもどきがある。実質いつものメンバーの2台とNWJC南店で使っている計3台で、ツーリングを楽しみ実走行による皆の声を聴きながら新型へと移行していった経緯があるので、旧型を使う二人も新型と同様に楽しめるよう、2点ほど改善して更に心地よく楽しめる仕様とした。

 

トラクター.jpg

 

改善した点は以下の2点

 

旧型110プロのリアーサスは柔らかく腰砕けとなり、積載時には安定感が無く乗り難くなるため、新型の現行モデルとは雲泥の差がある。対策として少し硬めのサスに変更して、それに伴ってフロントスプリングにプリロードを掛けて前後のバランスを整えて、安定した走りを得ることが出来るようにした。

 

リアーサス.jpg

 

スタンダードのシートは、柔らかくロングツーリングでは腰の据わりも悪く、安定感に欠けているので座面が広く程よい硬さで厚みあるシートに変更して、長距離でも疲れにくい仕様とした。

 


安芸高田.jpg 安芸高田2.jpg

 

今回使用した旧型のカブ110プロは、キャブ仕様からインジェクション仕様となり、寒い冬の季節から標高の高い峠道でも調子が変わることなく、走行距離は50,000Kmを超えているが、登り坂でもガンガン回して走り続けても一向にタレてくる気配も無く、平均燃費も60Km/?で、予備タンクのガソリンを 使うことは一度も無く、進化したカブの実力を楽しむ事が出来た。

 

一般道を常用速度域で走らせて

 

一般道のみを走り続けるツーリングを楽しんでみると、Bigバイクに比べて少し時間がかかる程度で大差がない事に気づくだろう。今まで通り過ごしていた風景を気負うことなく訪ねることが出来る事も何度かあり、面白いものだと思った。

 

石城山.jpg

 

一般道で常用されている速度域は、40Km/hから80Km/h程度のペースだと思うから、流れに乗って走るためには60Km/h+αで巡航できることが、後方を気にすることなく、また他の車両に迷惑をかけることなく走り続けられる速度ではないかと実体験から思う。

 

錦帯橋.jpg

 

最高速や馬力をカブ110に求めることは、無意味な事だと思うので、NWJCコンプリートは一般的な常用速度域40Kmから80Kmで後方を気にすることなく、荷物を満載状態にしても他の車両を気にすることなく走り続けることを楽しめる仕様としているが、不満に思うことも無く走り続けることを充分に楽しめて、意外にも疲れない。

 

柳井市田園風景.jpg

 

また、Bigバイクでは気にすることもなかった、登坂車線が設けられている長い登り坂をカブで走ると、徐々に速度が落ちてきて、後方から速い車が来ると、登坂車線はカブにとっては有り難い車線となることにも気づいた。

 

また、道の勾配がきつい上り坂では、シフトダウンした際に労わりと信頼感を持ってエンジンを思いっきり回しているが、Bigバイクでは何ら思うことも無く、ただアクセルを開けるだけのように思う。

 

魚見台.jpg

 

国道9号を走っていると山陰道が延長されているため9号線と無料区間が併用されていて、鳥取砂丘附近では、原付は通行禁止となっていた。今までは気にすることも無く通ることが出来た区間でも、工事中だったことも有るとは思うが看板も無く、思わず立ち止まりその手前の側道をどちらへ向かっていけばよいのやら、 原付にはとても不親切な面がある事を知った。

 

日本の道を心地よく良く楽しめるツアラー

 

Bigバイクをよく走らせるお気に入りのルートで、カブ110を走らせてみて、小排気量のバイクのほうが、どこでも手軽に停まれて、脇道に入ることでも構えることなく、バイク本来の面白さが濃厚なのではないかと改めて思う。

 

北条砂丘.jpg

 

CBR250Rで北海道から九州までフルに性能を引き出してツーリングを楽しんだ時も同じような事を感じたが、それは、乗りこなす事より使いこなすと云うか、味わい尽くす面白さを楽しめるからではないかと思う。

 

石見街道1.jpg

 

Bigバイクの場合、確かに大排気量によるゆとりというものがあるが、至れり尽くせりの装備と排気量まかせでシフトチェンジなどは適当でも、まるで4輪のオートマ感覚で走って行くというか、載せられている感じでとても大味に思う。また、その性能をフルに使って楽しめる環境が日本の道路事情にあるだろうか?

 

夕暮れ.jpg

 

持てる性能を使い切れないストレスなのか、スペックの誇示か、あるいはスリルを求めているのか、高速道や一般道で時々目にする無謀な走りは、それらを如実に顕しているように思う。高速道でも2輪の事故が増加しているポスターを目にすることが多いのも事実である。それは、バイクの性能=ライダーの技量と勘違いした結果でもあるように思う。

 

蒜山高原3.jpg

 

オ ン・オフ問わず永年乗り続けているオヤジライダー達は、Bigバイクの面白さや楽しさも熟知したうえで、小排気量のバイクならではの面白さを楽しむライダーが増えている傾向にあると思う。スペックや装備云々は別として、見栄、気負い、てらいを持たず、心地良く走り続けることの出来る体感性能を重視することが、バイク本来の面白さに触れることが出来ることを知っているからではないだろうか。

 

人形トンネル付近.jpg


時間に追われながらBigバイクで楽しんだ日本各地をカブ110や250クラスの小排気量のバイクでじっくりと時間を掛けて、緩やかな放物線を描くようにバイクに乗り始めた頃を振り返りながら原点に立ち返り、バイクの面白さや魅力を再度見直すツーリングをこれから楽しみたいと思った次第である。


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