ツーリングライダーとしてバイクを楽しみ、バイク屋として蓄積した独自のノウハウを活かして、工業製品もしくは物流商品として扱われているバイクを、価値ある「趣味の道具」として楽しむために、ノースウイングJCというバイク屋の拘りと独りのツーリングライダーの目線から感じたことや思うことを綴ります。

NC700Xで山陰方面の秋を楽しむ

5月は、GWにカブ110NWJCコンプリートで東北の水田風景を見ながら最北端の宗谷をめざした。7月は、GoldWingで、緑一色の田園風景を見ながら、駆け足で十和田湖を目指した。9月は、SWにCB1100とスラクストンの2台でキャンプをしながら、これから収穫が始まる田んぼや、東北でしか見かけることが無い「棒かけ」など、春や夏とは趣が異なる秋の東北ツーリング楽しんで来た。

東北ツーリングから帰って来た翌週は、NC700Xを駆って、5月にもGoldWingのタンデムで日帰り1,000kmツーリングを楽しんで来た、お気に入りの山陰方面をブラブラと楽しんで来た。

らっきょ畑

走り慣れた定番ルートは、季節の移り変わりと共に何度訪ねてみても、その都度に趣が異なるから面白いものだが、秋は腹立たしく不快に思うことがある。それは、セイタカアワダチソウの毒々しい黄色におおわれた風景を見る事だ。

定番ルート

道すがらススキが綺麗なところも沢山あったが、侵略的な外来種セイダカアワダチソウに駆逐されて、風になびく綺麗なススキを見ながらの景色が少なくなったのは残念でならない。

はざ掛け

お気に入りの田園風景を見ながら走り、昔に比べて背が低くなった「はざ掛け」は、収穫の終った田んぼで見かける風景だが、昔から変わらない風景は、なぜだかホッとするものがあるようだ。

相変わらず、気ままにバイク三昧の日々を楽しんでいる。

バイク屋のバイク乗りとしての目線

東北ツーリングでは、CB1100とトライアンフ・スラクストンのモダンクラシックでキャンプツーリングを楽しんで来たが、大型のツアラー系にフル積載したバイクは見かけたが、モダンクラシック系には出会うことが無かった。

NC700Xを走らせながら何故だろうか、と色々思いを巡らせてみた。

考えられることの一つとして、好みや楽しみ方は十人十色ではあるが、昨今は専用モデルとして何かに特化させてカテゴリー化する傾向にあるから、様々な情報によって、ツアラー系とかモダンクラシック系とかアドベンチャー系など、カテゴリーにとらわれる傾向が強いように思う。

防砂柵

雑誌等のレビューでも、アドベンチャー系はフル積載で道も選ぶことも無く楽しめるような表現がされているが、カテゴリーとしてのモダンクラシック系は、まず一番にはスタイリングに関して云々でから始まり、市街地か日帰りツーリングを楽しめる程度の紹介ばかりで、良い所は強調するが、違和感には触れないのが暗黙の約束事のようにだが、少し違うように思う。

今では、ファッションバイクとして捉えられているCB1100やT100のベースに当る、当時のCB450/750 や T120などが主流だった時代は、国道でも穴ぼこのダートが続く道を走ることもあった。

今より性能の悪い、足回りやブレーキにタイヤ・チェーンで、舗装路もダートも走ることが当たり前で、ロングツーリングにも出かけたから、悪路でスタンディングなんて事は走る上で必要な事だった。

砂地

勿論、専用モデルとかカテゴリーなんて事は、オンモデルとオフモデルくらいだったから、当時とは比べ物にならないくらい高性能であるCB1100やスラクストン等は、ロングツーリングを楽しめるのは当たり前のコトだと云える。

モダンクラシック系の場合、NWJC2014仕様のように違和感を取り除けば、本来の良さを発揮して、カテゴリーなどに囚われることなく、拡がりがある使い方や楽しみ方ができるのだが、カテゴリーやスペックに囚われていると、バイク乗りとしては退化するように思う。

NC700Xは多目的車

今回のツーリングは、NC700Xに乗ってブラブラと山陰方面の田園風景の中を走り続ける事を楽しんで来た。NC700XはHONDAが提唱するクロスオーバーコンセプトの先駆けだが、4輪で云えばSUVスポーツ用多目的車ということだろう。

収穫前

昨今は専用モデルとして何かに特化させてカテゴリー化する傾向にあるが、購買意欲や所有欲を高めるには、専用モデルとして特化するのも良いだろう。しかし、それに見合った使い方をしてこそ面白みがあると思うが、日本の道路事情には見合わないスペックを持つ専用モデルも多く存在しているように思う。

バイクは4輪感覚では楽しめないから、ライダーとしてのスキルアップはどんなバイクでも求められるが、デバイスが満載された車両はスキルアップが無くても楽しめる、と誤解を招くような表現もされているから、先入観によって惑わされることが無いように注意すべきである。バイクは何と言ってもアナログ感で楽しむべきである。

NC700(750)Xは、何かに特化して進化を続ける専用モデルとは一線を画して、可もなく不可も無く、悪く云えば曖昧、よく云えば万能だから、カテゴリーなどに囚われるコトも無く、使い方は十人十色で日本の道を楽しむには最適だと思う。

面

大型バイクでは躊躇するところでも、ミドルクラスのNC700(750)Xにダウンサイジングすれば、臆することなく、この道はこの先どんな状況なのだろうかとワクワクしながら、知らない里山の田舎道を走り続ける楽しさを知る。

秋祭り

エンジンが前傾しているためかホイルベースが長く大柄に見えるNC700Xだが、重心が低く扱いやすい、速さよりも心地よさで走り続ける楽しさを廉価で楽しめる車両であると、乗る度に実感している。

一般道をメインに700km程度の距離を走っても、意外に近く感じられるほど、NC700Xとの会話は飽きることなく楽しめる。それは新車状態でも味わえないが、トータルバランスを高めて、バイクライフを心地よく楽しむ為のバイク屋として処方が有ればこそである。

乗り続けて初めて判る事

どんなバイクでも、乗り始めは大雑把に乗り慣れる事から始まり、段々とその車両の事が判ってくる。1,000km程度乗っても分らない事も、乗り続ける事によって経時変化で思わぬ違和感を覚えたりすることもある。

違和感や問題点は、バイク乗りとしての実体験が無いと気付かない事ばかりだが、バイク屋のバイク乗りとして、実体験すれば色々な角度から問題を捕えることができるようになり、改善策も見えてくる。

神楽

違和感や不具合がハッキリと分かると対処もできるようになるが、バイク屋でも乗り続ける実体験が無いと、商品説明的なインプレ情報等による疑似体験を基に、先入観やライテクで乗りこなそうとすると、何も問題解決できず「こんなものです」と云うことになるのが一般的のようだ。

ライザー

NC700Xの場合も、ある距離を過ぎると思うように曲がらなくなることや、エンジンコンディションを整えるコトによってさらに力強く心地よい走りが出来る事や、ロングツーリングの積載状態ではガソリンの給油が不便だったり、良い点と問題点がいくつか浮かび上がってきた。

エンジン特性は日本的な常用速度域で270度クランクから発せられる鼓動感は心地好く、HONDAの味付けに、NWJC独自のメンテナンスを加えると、全域で鼓動感が拡がり、足回りも同様にNWJC独自のメンテナンスで、フル積載でもワインデイングを軽快に心地よい走りが楽しめるように仕上がった。

フル積載でのガソリン補給時にリアシートの荷物を簡単に着脱出来るよう対応したNWJCオリジナルのツーリングキャリアにトップケースを装着できる仕様に変更して、ロングツーリングでの使い勝手を更に高める事も出来た。

ツーリングキャリア1 ツーリングキャリア2

新車が最も良い状態というのが一般的だから、違和感や問題点は「こんなもの」と納得しているのが現実のようだが、本来の良さを最大限に引き出して、心地良く走り続けて楽しむために、ベストコンディションに整える必要がある事をお伝えしたいと思う。

しかし、違和感はライテクやボルトオンパーツだけでは解決できないことも沢山あるのだが、パーツを組み込む事によって変化した事が、解決したことと勘違いしている場合が多いのも事実である。

柿

カテゴリーにとらわれることなく、カブからビックバイクまで色々なバイクに乗り続けて、バイク三昧の日々を楽しんでいるバイク屋のバイク乗りとして思う事は、販売したバイクは「こんなものです」という曖昧な対応では無く、速さより心地良さで走り続ける楽しさを提供することが求められていると思う。



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